用途地域の中を100m四方に区切って、㎡単価を予測区間つきで出しています。地図をクリックすると、まず最寄りの地価公示・地価調査ポイントの実額が出ます——近くに国が測った点があるなら、推定よりそちらが正確だからです。推定は点から離れるほど意味を持ちます。誤差は隠さず全部載せました。
466点を1点ずつ隠して当て直した中央絶対誤差です。素朴な対抗馬(同じ用途地域の近傍6点を距離で重みづけて内挿するだけ)と並べています。勝っている幅は小さいので、そこも書いておきます。
同じ「商業地域」の中に㎡1,240万円の駅前一等地と裏通りが同居しています。用途地域でも容積率でも前面道路の格でも、この差は捉えられませんでした。だから商業地の区間は ×1.66 と広く出ます。狭い区間を出せないことを、狭い区間で誤魔化さないための設計です。
区を丸ごと隠して当て直すと、東区 80.6%、西区 54.4% と壊れます。この2区は市の東西の端で、周りが海と市外になるため内挿ではなく外挿になるからです。四方を囲まれた5区は 17〜29% に収まります。地図の端に近いところの数字は、割り引いて見てください。
ひとつ上の誤差は、地価公示の点を隠して地価公示で当て直したものです。つまり鑑定士の価格を鑑定士の価格で検証していたので、出所ごと外れている可能性は消せていません。そこで別系統——実際に売買された金額(不動産情報ライブラリの取引価格情報。宅地(土地) 8,277件・2015〜2026年)と突き合わせました。町字ごとの取引の中央値と、その代表点の推定値を比べています。突き合わせできたのは 273町字・7,456取引です。
| 知りたいこと | 使った窓 | 結果 |
|---|---|---|
| 系統的な偏りがあるか | 2024–2026 | 推定 / 取引 の比 1.015 |
| どれくらい当たるか | 2015–2026 | 中央誤差 18.9% / ±30%以内 73.5% |
比 1.015 は、地価公示ベースの推定が実際の取引に対して高くも低くもないということです。これがこの突き合わせでしか測れなかった点で、自己検証をいくら重ねても出てきません。下段は全窓に共通する155町字で対比較した値です。
遡るほど取引は増えますが、時点修正(実測の年+8%)を10年ぶん掛けることになります。実際、比は 1.015(2024年以降)から 0.902(2015年以降)へ単調に下がります。これは推定のズレではなく時点修正の累積です。だから偏りの判定は時点修正がほぼ効かない直近の窓で、カバーと分布は長い窓でと使い分けています。ひとつの窓で両方を語ると、どちらかが必ず歪みます。
2021年以降・233町字での中央誤差は 25.0% でしたが、これはモデルの誤差ではありません。町字の中央値と1地点の推定を比べているので、町字の中で取引がばらついている分は原理的に消せないからです。実測すると、取引が10件以上ある町字では推定とのズレ 20.0% が町字内のばらつき 21.7% より小さい。件数別でも 3〜4件で 32.6%、5〜9件で 30.3%、10件以上で 20.0% と単調に縮みます。残差の主な出どころは観測中央値の標本誤差だ、という形です。逆に言えば、この突き合わせでは上の自己検証の数字を否定も肯定もできません——分解能が足りないので、確かめられたのは「偏りが無い」ことだけです。
なお「大字○○」を含む町字(4件)は中央誤差 350% と全く合いません。大字は区域が広すぎて、1つの代表点との突き合わせが意味を持たないためです(西区大字元岡は取引 12,830円/m² に対し推定 107,400円/m²)。上位の外れ値はほぼこれか、町字が広いか、駅前で急に変わる場所です。
元になっているのは地価公示(1月1日時点)と地価調査(7月1日時点)の福岡市 466地点です。国が毎年、不動産鑑定士を2名以上つけて評価した価格で、これ以上の正解は個人には作れません。この466点を正解として、任意の地点でも計算できる変数だけを使って面を張っています。
土地の形・間口・奥行・地積は使っていません。標準地では調査されていますが、任意の地点では取れないので、入れると学習のときだけ当たって実際には落ちます。形の補正は国税庁が補正率表を公開しているので、そちらで計算するのが筋です。
市街化調整区域などは、同じ用途の近傍が存在しないので誤差が63〜218%になりました。数字を出せば嘘になるので、そもそも面を描いていません。白いところは「分からない」です。